※本記事は全4回シリーズの第3回目です。
観光を超えるスケール
サングループの挑戦は、バーナーヒルズだけでは終わりません。
彼らのビジョンは、観光を超え、ベトナム全体の未来を創ることにまで広がっています。
空港、不動産、都市インフラ――。
その領域は年々拡大し、政府の経済戦略と歩調を合わせながら進化しているのです。
世界一のロープウェイ
象徴的な成果のひとつが、ギネス世界記録に認定されたロープウェイです。
高低差と距離、双方で世界一。
単なるアトラクションではなく、「世界に挑戦する意思」を示すランドマークでした。
山岳地帯をつなぐその姿は、観光施設であると同時に、開発の象徴でもあったのです。
日本企業との比較
この大胆さを見て、私たちは日本のサントリーを思い出しました。
非上場を貫きながらも果敢に海外へ打って出る姿勢。
「守り」ではなく「攻め」を選ぶその経営スタイル。
サングループにも同じような“しなやかな強さ”を感じました。
成長の裏にある課題
もちろん、急成長の影には課題もあります。
ダナンの都市部では交通渋滞が深刻化し、大気汚染も問題になりつつあります。
観光開発による自然環境への負荷も無視できません。
ベトナムの元気は、こうした課題と常に隣り合わせにあるのです。
それでも前へ
それでも彼らは挑戦を止めません。
むしろ、課題に正面から立ち向かう姿勢そのものが、この国の「元気の源」なのだと感じました。
失うものがないからこそ挑戦できる――。
40年前の日本人が持っていた強さを、私たちはベトナムの中に見出しました。
次回予告
次回はいよいよ最終回「第4部:日本への示唆と未来への架け橋」。
ベトナムから学んだダイナミズムを、日本でどう活かせるのかを考えます。