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ベトナム視察記① ダナンに見る40年前の日本の元気

※本記事は全4回シリーズの第1回目です。

灼熱のベトナムへ

2025年夏、
私たちは熱気に満ちたベトナムへと飛び立ちました。

行き先に選んだのは、ホーチミンでもハノイでもなく、近年めざましい成長を遂げている中部最大の都市・ダナンです。


街にあふれるエネルギー

ダナンの街に降り立つと、まず感じたのは灼熱の太陽。

そして、それ以上に強く伝わってきたのは人々の活気でした。

笑顔で働く人々。
建設ラッシュで空を覆うクレーンの列。
道路を埋め尽くす無数のバイクの波。

まるで街全体が脈打っているかのように、ベトナム経済の鼓動を肌で感じました。


ハノイとの違い

実は3年前、私たちはハノイを訪れたことがあります。

そのときも確かに勢いは感じました。

しかし今回のダナンには、まったく違う「アゲアゲなムード」が漂っていました。

それは単に街が活気に満ちているというだけではありません。

ダナンを“元気だった頃の大阪”とするなら、その周辺にあるホイアンやフエは、まるで“京都や奈良”のような存在に見えたのです。

フエの宮殿

フエの宮殿

活気ある都市から日帰りで古都にアクセスできる。

現代の勢いと歴史・文化の重み、その両方を味わえる観光地としての多様性――。

そうした構図が、日本の関西圏とどこか重なって見えました。

人々が次々と新しい価値を創り出している現場を目の当たりにしたのです。


活気の中心 ― バーナーヒルズ

この活気の中心にあったのが、世界に類を見ないテーマパーク「バーナーヒルズ」でした。

象徴となっているのは、巨大な手が空に架けたような「神の手」の橋。

巨大な石の手に支えられた「ゴールデンブリッジ」を、多くの観光客が渡っている。霧に包まれた幻想的な風景の中、橋の上にはベトナム国旗を持つ人々が並んでいる。

バーナーヒルズの名所「ゴールデンブリッジ」。

SNSを通じて瞬く間に世界へ拡散され、ベトナム観光のシンボルとなった存在です。

しかし、魅力はそれだけにとどまりません。

山上に広がる避暑地へ、圧倒的な距離と高低差を誇るロープウェイで一気にアクセスできる仕組みは、ギネス記録にも認定されています。

緑豊かな山々の上を走るケーブルカー。黒とオレンジのゴンドラには「NCB」と書かれており、空中を連なるように進んでいる。

バーナーヒルズへと続く世界最長級のロープウェイ。

自然の地形を逆手に取り、移動そのものを観光体験に変えているのです。

さらに驚かされたのは、園内の動線設計。

多くの人が訪れているのに、レストランで長く待たされることもなく、アトラクションにもスムーズに案内される。

バーナーヒルズの巨大レストランの集客数の多さで混雑はない。

席数の多いレストランとオペレーションで混雑はない

混雑を感じさせないオペレーションが、訪れる人の満足度を高めていました。

豊かな自然やフランス植民地時代の歴史を巧みに取り込みつつ、現代的な運営ノウハウで体験を磨き上げている。

まさに、独自の物語を紡ぎ出す場所だと実感しました。

ユニバーサルスタジオやディズニーのような海外ブランドに頼るのではなく、自国の文化や独創性を活かして、世界的なランドマークを築き上げた存在。まさに唯一無二の挑戦でした。


サングループの影響力

ヨーロッパ風の建物を背景に、大きなひまわりのオブジェが中央に設置されている。「SUN KRAFT BEER FESTIVAL 2025」と書かれており、多くの観光客が記念撮影を楽しんでいる。

ダナン・バーナーヒルズで開催される「サン・クラフトビア・フェスティバル2025」。

このバーナーヒルズを開発したのが「サングループ」です。

一つの事業でダナンを世界的観光地へ押し上げ、多くの雇用を生み、関連産業を潤す。

その影響力はすでに一企業の枠を超え、ベトナム経済全体と密接に結びついていることを実感しました。


次回予告

次回は「第2部:サングループを動かす1億ドルの原点」へ。
ウクライナでの食品事業から始まった、創業者レ・ベト・ラム氏の物語に迫ります。

第2部: サングループを動かす1億ドルの原点

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